パンツは穿くもの。汚れもすれば擦り切れもする。そんな激しく日常的なアイテムであるパンツを、神社などという神聖な場所に奉納しちゃっていいんでしょうか?

それが、全然いいんです。

今回のフリパンラボは、パンツが奉納される神社、和歌山県の淡島神社をご紹介します。ただし、パンツと言っても今回は女性用のパンツ(パンティ)。男性読者の皆さんには、ちょっと、ごめんなさい。

和歌山県和歌山市の加太地区にある淡島神社。日本神話に登場する神、少彦名命(すくなひこなのみこと)、大己貴命(おほなむじのみこと)、息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)を祀るこの神社は、日本全国に1,000社あまりある淡島神社(淡嶋神社、粟島神社)の総本社です。

淡島神社 本殿/引用元 Wikimedia Commons

人形供養や針供養で知られているのがこの淡島神社なのですが、少彦名命が医薬の神様であることから、婦人病をはじめ、安産や子授けなど、女性の「あらゆる下の病を快癒してくれる」神社としても有名です。全国から女性の参拝者が絶えないと言われています。

こうした女性参拝者が、絵馬と一緒に奉納しているのがパンティなのです。

淡島神社 末社/引用元 Wikimedia Commons

パンティを奉納する場所は、境内の奥にある末社(写真)。そこに、祈願を書いた絵馬と一緒にパンティを括りつけます。ただし直接ではなく、ビニール袋に入れたパンティを括りつける習慣になっているようです。

上の写真の一番右端をよく見ると、ほら……

淡島神社 末社/引用元 Wikimedia Commons

白いビニール袋がこれでもかというくらいぶら下がっていますね。

掛かっている絵馬には、「子どもが授かりますように」とか「安産で生まれてきますように」とか「子宮の病気が治りますように」といった切実な願いが書かれています。

ある地元紹介サイトによれば、「パンツ入りビニール袋が鈴なりになって」いる様子は「もの凄い」とのこと。また、中には袋が透明のものもあり、「下着の柄まではっきり見えてしまって、目のやり場に困ってしまう」そうです。

奉納するパンティは、どうやら、祈願する人が一度は身に着けたものでなければならないようです。

「私は普段使用しているものを洗ってビニール袋に入れて持って行き、お願い事の絵馬と一緒に括りつけてきました」などと、実際に行った人がブログに書いています。やはり身に着けたものでないとご利益がなさそうですね。

ただ、奉納用のパンツを持って来ていない人のために、境内のお守り売り場に、新品のパンツが1,000円で売られているのは不思議。それを買った場合は、トイレかどこかで一度穿いてから奉納する、ということになるのでしょうか。

パンティを奉納するという変わった習慣は、いつ頃から始まったのでしょうか? それは定かでありません。

ただ、過去にこの神社を番組で紹介したテレビ局によれば、昭和に入ってから始まったものだとのこと。大昔、この神社には、子授けを願う女性が女性の命ともいえる髪の毛を切って奉納していましたが、やがてそれが「腰巻き」に替わり、さらに昭和になってパンティに替わったのだそうです。

それにしても、絵馬と一緒にパンティをぶら下げるとは、ユニークな神社があるものですね。ただ、男性のフリパン読者にはちょっと不満かも。「どうして男のパンツは奉納できないんだ!」という声が聞こえてきそうです。

男性だって、子授けを願いたい人もいるでしょう。それに、精力増強とかサイズ増大とか、ほかにも祈願したいことは沢山あるはず。そんな男性諸氏を救うために……淡島神社様、ぜひ、男物のパンツも奉納できるようにしてください!

フリパンライター

稲垣 恒太郎

猫のような好奇心を持つフリーライター。特に、流行っていないものが好き。クラシック音楽が趣味。ウラジミール・ホロヴィッツの大ファン。20代まではブリーフ派だったが、現在はトランクス派に転向。

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