世界各国のニューイヤー・パンツ習慣——新年あなたはパンツを新調した?

新年に下着を新調する、というか、新しく買ったパンツを穿くという人はけっこう多いみたいですね。私はしませんが、私の周りにはけっこういます。

どうして? と尋ねてみると、「縁起が良いから」とか、「子供の頃から家ではそうしていたから」とかいう答えが。どうやら日本では、新年にパンツを新調する習慣が、なんとなくあるようです。

でも、そんな新年のパンツにこだわる習慣は、実は日本だけじゃないんですね。日本以外にも、似たような習慣や風習のある国が意外に多いのです。ちょっと調べてみたので、そのいくつかをご紹介しましょう。

中国や台湾などの中華圏では、「お正月には赤い下着」を身につけるのが決まりのようになっているそう。だからお正月(旧正月)の前は、デパートの下着売り場はもちろん、街角のお店や夜市の露天商まで、赤い下着で真っ赤に染まったようになるといいます。

どうして赤なのか? 中華圏では、赤には幸福を呼び込む力があると信じられているからなんですね。新年に赤い下着を身につけると、その1年が幸運になると信じられているそうです。

中国の中でも香港は、赤だけでなく金もめでたい色とされているらしく、スーパーど派手な下着がお正月の定番に。赤い生地にゴールドの糸でバラや金魚や干支が刺繍してあるといった、目もくらむお正月限定パンツが登場するとのこと。

台湾では、大晦日やお正月にマージャンをする習慣があるので、ツキを呼んでマージャンに勝つためにみんなが赤い下着を穿くのだ、という説もあるそうです。

ちなみに台湾ワコールの調べでは、お正月用の赤い下着(女性用)の売り上げが、年間売り上げの40%を占めた年もあったとのこと。売り上げの40%! みんながそんなに赤い下着を買っているということは、お正月だけでなく、絶対に年間通して穿いている……と思うのは私だけでしょうか。

イタリアでは、大晦日に夫が妻に、あるいは彼氏が彼女に、赤い下着をプレゼントする習慣があるそうです。赤い下着をつけてお正月を迎えると、幸せになれると言われているからなんですね。

おかげでイタリアの下着売り場は、12月になると中国同様に真っ赤っか。ただイタリアだけあって、中国よりはセクシーなデザインのものが多いようです。まあ、恋人や夫婦でプレゼントするのだから、当然といえば当然。

ちなみにイタリアでは、赤は「力」「精力」「豊かさ」「健康」を象徴する色。ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥス時代から、新年には赤い衣類を身にまとう習慣があったそうです。

スイスでもこれまた、赤い下着がお正月の縁起物になっています。ただ、生真面目なスイス人気質のせいか、穿き方に細かな決まりがあるとのこと。

まず、大晦日の晩にシャワーを浴びて身体をきれいにする。その後すぐに赤い下着を身につけ、そのまま年を越す。そして元旦の朝、再びシャワーを浴びて、それまで穿いていた赤い下着をゴミ箱に捨てる。これが正しい手順だそうです。

赤い色が縁起がいいと考えられているだけでなく、下着に旧年の厄を持って行ってもらうというような意味も込められていそうですね。

南米の国チリやボリビアでは、黄色いパンツを穿いて新年を迎えるのが習わし。これらの国では、黄色がラッキーカラーだからです。例えばチリには「豆を食べると運が上がる、黄色い下着をつけると来年幸福になる」という言い伝えがあるそうです。

ボリビアでは、ただ黄色いパンツを穿くだけではダメで、「新年になる少し前に穿き替える」ことが大事。穿き替えることで、去年までの運気を捨て、新しい運気を身につける、と信じられているからなんだそうです。

画像出典:flickr

ブラジルでも新年の下着にジンクスがあります。が、ブラジルの面白いところは、願いに応じて色が別れているという点。金運をアップさせたいなら黄色い下着、恋人が欲しいなら赤い下着、ピンポイントの願いが特にない時は白い下着、どれも新しいものを身につけて新年を迎えると良いそうです。

ブラジルでは、赤は「愛ある生活」を、黄色は「金銭欲」を、白は「神聖」をそれぞれ意味しているからなんですね。

下着コンシェルジュとして本も出しているビューティーコーディネーターの山田奈央子さんによれば、「お正月にこの地域(ブラジル)に行くと、パンツの色でその人が欲していることがわかってしまう」そうです。(どうやってパンツの色を確かめるのかは謎ですが……)

それぞれ文化が違う国なのに、なぜかパンツにこだわった、似たような習慣があるというのは面白いですね。

ところで皆さん、元旦にはパンツを新調しましたか? 私はしませんが、これを書いているうちに「まだ遅くない」という気になって来ました。それではさっそく買いに行ってきたいと思います!

フリパンライター

稲垣 恒太郎

猫のような好奇心を持つフリーライター。特に、流行っていないものが好き。クラシック音楽が趣味。ウラジミール・ホロヴィッツの大ファン。20代まではブリーフ派だったが、現在はトランクス派に転向。

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