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20148/7

親子の絆を深め、エコにもつながる「おむつなし育児」

育児には不安や悩みがつきもの。
数あるお悩みの中でも、「オムツばなれ」は特に多くのママさんの頭を悩ませているようです。
しかし、オムツばなれに苦労しない育児法があるとしたら?
今回はそんな夢のような育児方法、「おむつなし育児」についてご紹介します。

今回お話を伺ったのは、おむつなし育児と赤ちゃんの排泄について研究している、おむつなし育児研究所の所長・和田智代さん。
和田さんはご自身も保育士のご経験があるので赤ちゃんの排泄について詳しく、また2人の息子さんのオムツばなれに苦労された過去を持つママでもある方です。
「おむつなし育児はたくさんのメリットがあるのに対し、デメリットはほとんどないんですよ」
そう語る和田さん。
おむつなし育児で育てると、1歳後半には子供自身が自然な形で排泄をコントロールできるようになることが多いのだそうです。

おむつなし育児は過激な新育児法?いいえ、それは誤解です!

和田さん:おむつなし育児というと、「オムツをはかせず垂れ流し状態!?」とか、「虐待では?」なんて誤解されてしまうことが多いんですよ。

著者:赤ちゃん=オムツをはいている、というイメージはありますよね。

和田さん:おむつなし育児は、「おむつを全く使わない」わけではありません。「普段はおむつをつけていて、おしっこやうんちをしたそうな時には外して、おむつの外でさせてあげる」という排泄ケアの方法です。欧米では「early assisted toilet training :早期(0歳)から(おむつの外で自然な)排泄を介助してあげるトイレ・トレーニング法」と呼ばれたりしています。実はね、オムツをはかせることの方が不自然なんです。だって、動物はオムツをはいて生まれてはこないでしょう?おむつは100%、「部屋や服を汚されたくない」という大人の都合で、赤ちゃんにガマンしてつけていただいているんです。赤ちゃんのお世話をされたことのある方ならご経験あると思いますが、赤ちゃんは成長するにつれて、おむつをつけることにすごく抵抗するようになりますよね。排泄は、何にもジャマされないオープン場所にして、解放的な気持ち良さを伴う方が本来は自然なんです。

著者:おむつなし育児というのは、オムツばなれを早くする育児法なんですか?

和田さん:いいえ、おむつなし育児は「トイレでさせることをしつける」という、いわゆるトイレ・トレーニングとは全く別物です。赤ちゃんになるべく快適な排泄をさせてあげることでさまざまな発達を促し、お母さんが赤ちゃんの排泄を観察することで相互理解も深まります。おむつなし育児は、より自然で快適な、昔からある子育て方法の一つなんですよ。オムツゴミも減るので、エコでもありますしね!おむつの外で排泄させてあげることで、結果として、それほど苦労することなく、トイレ等で排泄することを自然に覚えていきます。

オムツなしの状態でいることで、持って生まれた排泄能力を活かす!

著者:赤ちゃんのオムツを外すと大変なことになるのでは?

和田さん:皆さんそう思われるかもしれませんが、赤ちゃんはとても賢いんです。オムツの外で排泄をしていると、赤ちゃんも自分の体から排泄物が出ているということがよくわかり、排泄をコントロールする神経も自然に発達して、おしっこやうんちを溜めて出すようになるんですよ。つまり、垂れ流しになるのではなくて、ちゃんとタイミングを自分で調整するようになるんです。ハイハイしたり歩いたりすることを大人が教えなくても赤ちゃんは自分でするようになっていくのと同様に、本来排泄も、自然な状態(おむつの外)で排泄させていれば、大人が特に教えてなくても、排泄はコントロールできるようになるのです。

著者:すごいですね。でも働いているママやパパには、実行するのが難しいのでは?

和田さん:いいえ、そんなことはないですよ。1年くらい育休をとることができれば、その間にかなりな程度できます。あるいは育休をとれなくて、0歳のうちから保育園に預ける場合でも、例えば「保育園ではお友達がたくさんいて先生も忙しくて難しいから、ガマンしてオムツの中にしてね。だけど家ではなるべくオムツの外でさせてあげるからね」とちゃんと説明してあげると、赤ちゃんも理解できるんです。また、保育園全体がおむつなし育児を取り入れているところも少しずつ増えてきているので、そういった園を選んで入園させるという手もありますね。

著者:なるほど。おむつなし育児は意外と簡単に始められるんですね。

和田さん:そうなんです。寝ている赤ちゃんのオムツをちょっと開けて、そのまま寝かせておくだけでも、立派なおむつなし育児なんです!寒そうだったら汚れてもいいタオルを下半身にかけてあげてもいいですね。おむつなし育児は、「おむつを全く使わないない」のでなく、「普段はおむつをしていても、したそうな時には外して、なるべくおむつの外で、自然で気持ちよい排泄させてあげること」なのです。一日中やる必要もありません。親が余裕のある時に時間を決めてとか、保育園に預けているなら家にいる時だけとかでもいいのです。紙おむつや布おむつを使いながら、おむつを外す機会を増やしてあげてはいかがでしょうか。

著者:和田さんから見て、おむつなし育児は広まってきているという実感はありますか?

和田さん:はい、いろいろなところからお問い合わせをいただきます。地域の子育て支援に関わるグループや保育園、幼稚園など、全国から講演依頼もあります。そうした講演会の参加者の中にも、「すでにおむつなし育児を実践しいてます」という方が年々着実に増えてきています。メジャーな育児雑誌である「AERA with Baby」でも、「読者の反響がとても良い」ということで、2010年から、毎年夏号でおむつなし育児特集が組まれています。それくらい、「オムツはずし」に苦労される親御さんが年々増えているのでしょうね・・・。現在、おむつなし育児研究所では保育園などでおむつなし育児を取り入れやすいよう、ガイドラインを制作中です。完成すれば、もっと多くの保育園でも取り入れてもらいやすくなるかもしれませんね。

著者:他にも今後の展望があるんですか?

和田さん:はい、妊婦さん対象の母親学級などで紹介させていただけたらいいなと思っています。上のお子さんのトイレ・トレーニングが上手くいかずに大変な経験をされたママやパパが、最終的におむつなし育児に出会うと、必ず、「こういう方法があるということを、妊娠中に教えてほしかった」とおっしゃいます。赤ちゃんが生まれる前から「紙おむつ、布おむつ」という二つの選択肢に加えて、動物として一番自然な「オムツの外」という、3つめの選択肢をお知らせすることで、「汚い、臭い、面倒」と思っていた、生まれてくる赤ちゃんとの「排泄ライフ」を、逆に楽しみにしていただけたら嬉しいです。実際、おむつなし育児を経験された多くのママ・パパは、「上の子とのおむつなし育児が豊かで楽しかったので、今度生まれてくる下の子との、新たなおむつなし育児がとても楽しみなんです!」とおっしゃいます。

快食・快眠・快便で人間の土台を強くしよう

著者:おむつなし育児は、赤ちゃんにとってどんないいことがあるんですか?

和田さん:私たちが提唱するおむつなし育児の最大のメリットは、赤ちゃんが機嫌良くしている時間が長くなることですね。保育園で実践されている保育士さんたちも、全く同じことをおっしゃいます。お昼寝の時も途中でおもらしすることがあまりなく、ぐっすり眠っていられる子が多い傾向にあります。あとは、便秘になりにくいとか、おむつかぶれが改善するとか、結果として1歳後半頃にはおむつが要らなくなることが多いなどのメリットもあります。

著者:お母さんにとってのいいことはありますか?

和田さん:おむつなし育児は、ママにとって赤ちゃんの排泄のサインやタイミングを知る良いきっかけになりますね。赤ちゃんとママの相互理解が深まるので、育児への自信を持てるママさんが多くなるようです。

最後に、和田さんの理想の育児・オムツばなれについて聞いてみました。

和田さん:生後すぐから子どもの将来を心配して、才能開発のための習い事やしつけに悩むママ・パパもいますが、私は「そんなに焦らなくて大丈夫ですよ」とお伝えしたいですね。才能は抑えても抑えても出てくるものですから、その子に本当にその才能があれば、成長するにつれて自分でチャンスをとらえて、才能を伸ばす道を自分で探っていきます。それよりも、人間の基礎が出来上がる0歳~2歳の乳児期には、赤ちゃんが「生きているって、それだけで気持ち良くて楽しい!」という経験をたくさんさせてあげてほしいです。具体的には快食・快眠・快便、そして、抱っこして欲しい/遊んでほしいなどの、基本的な欲求を理解して保証してあげること。そうすることで、人間の土台がしっかり形成されます。この土台がしっかりできているお子さんは、成長するにつれて、自分の才能を自ら豊かに開花させていきます。また、高齢者介護の世界では、歳をとって社会的に活躍することが減って、体のあちこちが若い頃のように動かなくなっていく時に、この「人間の土台=生きているって、それだけで気持ちよくて楽しい!」がしっかりできているご老人は、人生の最後まで、より幸せに生きていくことができると言われています。この土台は、乳児期に形成されるのです。

オムツを外すことで、ママは赤ちゃんをこまめに観察する必要があります。
和田さん曰く、このことが、「ママは自分を見ていてくれる、理解してくれる」という自信になり、大きくなってからもちょっとやそっとでは折れない心を育てる、ということにつながるのだそうです。
今回和田さんからお話を伺う中で、紙オムツが持つ意外なデメリットについてもわかったのでした。
とはいえ紙オムツはママの強い味方。
メリットとデメリットを理解して上手に使い分けていきたいですね。

また、おむつなし育児に興味があるという人のために、10月にはイベントもあるそうです。当日は和田さんの講演会も予定されていますので、ぜひ気になる方はチェックしてみてくださいね!

○「おむつなし育児&布おむつまつり」
日時:2014年10月11日 10:00~15:30
場所:江東区森下文化センター2階 多目的ホール
料金:参加費 1,500円
詳細:http://www.omutsunashi.org/matsuri7.12.pdf

<おむつなし育児研究所所長・和田智代さん>

和田智代(わだ・ともよ)

1962年生まれ。名古屋市立保育短期大学卒、米国ワールド・カレッジ・ウエスト大学卒、
名古屋大学大学院修士号取得。
保育園にて保育士を経て、国際協力分野のNPO・HANDSやコンサルタント会社に勤務し、
途上国の母子保健事業に従事。
おむつなし育児研究所・所長、みらい子育て研究所・代表
訳書に『おむつなし育児』(柏書房)、『世界一しあわせな子育て』(柏書房)
共著に『赤ちゃんにおむつはいらない』(三砂ちづる編著、勁草書房)
実践指導として『五感を育てる おむつなし育児』(主婦の友社)
育児雑誌『AERA with Baby』(朝日新聞出版)の「おむつなし育児特集」記事監修(2010年10月号、2012年6月号、2013年6月号、2014年8月号)

おむつなし育児研究所ウェブサイト:http://www.omutsunashi.org/

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