【特集】伊勢崎オートレース場が開場45周年 存続の危機を乗り越えて(21/10/08)

伊勢崎オートレース場が今月でオープン45周年を迎えました。一時は、存続の危機にも陥りましたが、ここ数年は、経営の改善が進んできています。伊勢崎オートの今を取材しました。

伊勢崎オートレース場は、1976年10月にオープン。1989年には全国で初めてナイターレースを開始するなど、市民はもちろん、県内外のファンに親しまれてきました。オープン以来、順調に売り上げを伸ばし、一般会計への繰入金は1993年度に過去最高の43億円となるなど、市の財政を支えてきました。しかし、長引く景気の低迷などで、2000年度に赤字に転落して以降、繰入金ゼロが続いていました。

「存続か、または、廃止か」2004年、市が設置した経営再建審議会は、「赤字体質から脱却できない場合は廃止を決断すべき」とする提言をまとめ、伊勢崎オートは、廃止の瀬戸際に立たされます。存続に向け、伊勢崎オートの改革が始まりました。

「オール世代が楽しめる施設に」レース期間中に家族連れが楽しめる新たなイベントを次々と企画、オールドファンにもさらに楽しんでほしいと特別観覧席のモニターを設置したり新たな車券・三連単を導入しました。このほか、自動券売機の設置や駐車場の敷地を売却して、ホームセンターを誘致するなど、経費の削減にも努めました。

選手たちも伊勢崎オートの存続のために奮闘しました。今では毎年恒例となったファン感謝祭を赤字転落後の2005年ごろに始め、ファンとの触れ合いを大切にしています。さらに選手会が今、力を入れているのがYouTubeの動画配信です。地元・伊勢崎出身の新井日和選手のデビュー動画がおよそ3万回の再生回数。岩田行雄選手の愛車を紹介する動画は、再生回数がおよそ4万回などファンの注目を集めています。

伊勢崎市や選手会の地道な取り組みが家族連れや若い世代のファンの増加につながりました。成果は経営にも現れてきています。2008年度に累積赤字を解消すると、インターネット投票の好調も追い風に一般会計への繰入金は、2014年度と昨年度に1億円、今年度は3億円を計上し、回復傾向にあります。伊勢崎オートの「あたたかさ」。廃止の危機に向き合った市や選手会の取り組みから生まれた大きな強みです。